手仕事の織物や染物は、洗濯と保管の基本を押さえることで、色合いと風合いを長く保ちやすくなります。このページでは、使い始めの注意点から色移りを防ぐ洗濯方法、保管時の退色対策、困ったときの対処までをまとめています。

織物・染物について
ご使用の前に
藍染をはじめとする染物や織物は、使用を始める前に一度軽く水洗い、または洗濯することをおすすめします。製造や染色の工程で生地表面に残った余分な染料を落とし、織り組織を落ち着かせることができます。
洗濯により生地の風合いが柔らかくなり、吸水性や肌触りが出やすくなります。タオル・テーブルクロス・衣類など、用途を問わず、まずは単独で洗ってから使い始めてください。
使用上の注意
天然染料を使った製品、特に藍染は、使い始めに色落ちや色移りが起きやすくなります。摩擦や水分によって肌や他の衣類、ソファなどに色が移ることがあるため、濡れている状態での接触にはご注意ください。
洗濯を重ねるごとに色落ちは落ち着き、藍染特有の青みへと変化していきます。また、長時間のつけ置き洗いは色ムラや色移りの原因になるため避けてください。
使い始めの数回は、白や淡い色のインナー、バッグなどの小物を組み合わせるお出かけは控えた方が安心です。
お手入れについて
色合いを長く保つため、漂白剤や蛍光増白剤の入っていないおしゃれ着用の中性洗剤を使い、手洗いするか、洗濯機の弱水流コースで洗ってください。
乾燥時は長時間の直射日光を避け、風通しの良い日陰に陰干ししてください。紫外線は変色や退色の原因になります。保管も、光の当たらない遮光された暗所を選んでください。
困ったとき
他の衣類に色移りした場合は、水分が乾いて定着する前にすぐにお湯と洗剤で洗濯し直してください。時間が経つと落としにくくなります。
全体的な色褪せが進んだ場合、ご自身での修復は難しいことが多いです。天然の藍染製品であれば、職人による染め直しで色合いを戻せる場合があります。
シミができた場合、強く擦るとその部分だけ色落ちしやすいため、部分的な揉み洗いは避けてください。
よくある質問
初めて洗濯するときは、他の衣類と一緒に洗っても大丈夫ですか?
いいえ、必ず単独で洗ってください。藍染などの染物は、最初の数回は染料が溶け出しやすく、他の衣類に色移りする可能性が高くなります。色落ちが落ち着くまでは、他の洗濯物とは分けて手洗いするか、洗濯機を個別に回してください。
普段お使いの洗濯洗剤や漂白剤は使用できますか?
一般的な合成洗剤や漂白剤、蛍光増白剤入りの洗剤は使用しないでください。洗浄力が強すぎたり、染料を分解・変色させたりするため、色褪せの原因になります。弱酸性から中性の「おしゃれ着用洗剤」の使用が安全です。
濡れた状態で肌や家具に色が付着してしまった場合、落とせますか?
肌に付着した藍は、通常の入浴や手洗いで落とせることが多いです。他の衣類や布製品に付着した場合は、水分が乾いて定着する前に、衣料用洗剤を使って温水で洗濯し直してください。乾燥してしまうと落としにくくなります。
洗濯機での脱水や、衣類乾燥機の使用は可能ですか?
洗濯機での短い脱水は可能ですが、衣類乾燥機(タンブラー乾燥)の使用は避けてください。高熱と摩擦は、縮み・型崩れ・部分的な色ムラの原因になります。脱水後は形を整え、直射日光の当たらない場所で陰干ししてください。
アイロン掛けをする際に注意することはありますか?
アイロンを使用する際は、必ずあて布をして中温以下で掛けてください。染料によっては高温で変色したり、アイロンの底面に色移りしたりすることがあります。スチームを強く当てすぎると部分的な色ムラの原因になるため、ドライアイロンでの手早い作業が無難です。
長期間使用しない場合の正しい保管方法を教えてください。
洗濯をして完全に乾燥させた後、直射日光や蛍光灯の光が当たらないタンスなどの暗所に保管してください。光が当たり続けると部分的な退色の原因になります。湿気によるカビや虫食いを防ぐため、通気性の良い不織布などに包み、定期的に空気の入れ替えを行うことをおすすめします。