茨城県の漆畑に行ってきました
今回はスタッフの故郷である茨城県にある漆畑に行ってきました。
茨城県は国産漆の生産量第2位の県
現在国内で消費されている漆の97パーセント以上が中国の輸入によるもので、国内の漆は僅か3パーセント弱です。
岩手県が生産量第1位、茨城県は生産量第2位です。
上の写真の左側は冬での漆苗の畑で、右側は暖かくなり葉が出ている写真です。
今回はまだ葉の出ていない状態だったので、春以降の漆畑の写真、漆掻きをしている場面の写真もお借りしてきました。
漆の木を育てるには広い土地が必要
漆の木から漆が採れるようになるまでには、10年以上の月日が必要です。
大きく育つので木と木の間を広く取って植えなければならないそうです。
漆の葉と実
漆は落葉樹で、冬には葉が落ちますが、春夏では緑の葉が茂って秋には紅葉します。
漆の木の樹齢の数え方
写真を見ると、一番太い幹に沿って放射状に枝が伸びているのが分かると思うのですが、この放射状の部分がちょうど1年分の成長となるそうです。
漆の幹
上は若い漆の、下は成長した漆の幹です。若いときは白くすべすべしていて、成長すると木肌がゴツゴツと割れてきます。下の写真では傷ついた幹から自然に樹液(漆)が出ています。
漆掻きの様子
6 月中旬頃から 10 月初旬の頃までが漆掻きのシーズンで、幾つかの行程を踏み、専用の道具を使って漆を採取されるそうです。
茨城県産の漆はとても品質が良いそうなのですが、茨城県内での漆かき職人さんはわずか数人で、高齢者の方が多く、後継者の育成に取り組んでいるそうです。
一本の木から採れる量
一本の漆の木から採れる漆の量は 180g から 200g 程度だそうで、とても貴重です。高いところまで大切に採集している様子が伝わってきます。
漆掻きをした後の様子
漆の樹液は、白いのですが黒く変色します。漆かきをしたことが一目でわかる不思議な光景です。
茨城の漆畑を見てきて
漆だけの畑があることに、まずは驚きました。
漆はかぶれるということもあるので、忌み嫌われる部分があるかとも思うのですが、貴重な国産漆を生産するために地元の方が努力されているということを、実際に漆の木がたくさん植わり、成長している様子から感じ取ることもできました。
今回は、漆かきの写真はお借りしたものなのですが、夏にはお仕事をされているところをぜひ見てみたいです。