岡村宜治 Okamura Yoshiharu
「私は民芸の器が好きです。毎度の食事の時も、他者が作った民窯の器に自分の器を取り合わせ使用しているため、自分自身の制作にも多くの影響を受けています」
眺めて、使ってみて、しみじみ良いと思える。
岡村さんのつくられる陶器はそう思えるものばかりです。
「現在でも模索をしている中で学んだ技法の一つに縛られることなく制作していますので、色々な物を作っていますが、自分の好みというフィルターを通すことで作品全体に統一性がでればと願っています」
たしかに、三島手、市松模様のような掛け分け、灰釉など、岡村さんの器には表面的には一定した作風はないように感じられますが、そういった様々な技法でつくられた作品たちが並んだとき、
『それらは確かに同じ人がつくったものだ』
ということは強く感じます。
「好みによって統一感が出ればと願っています」
それは、その言葉以上に奥深いものなのかもしれません。
「私が現在住む岐阜県土岐市は、美濃焼きと言われる日本の陶磁器の生産量の半分以上を現在も焼いている一大産地です。
優れた物が生みだされる反面、他の産地や作家物を真似た~~風が大量生産される現場を近くで感じながらあえて手作りをする意味、大量生産では作れない物作りということを意識してきました。」
日常というものは、住んでいる場所、関わる人、意識、様々なコトによってかたち作られていくのだと思います。そういった日常を見据えながら岡村さんは日々器をつくられているのかもしれません。
「私の作っている物も民芸風(~~風)の陶器の一部かも知れません。
ただその風をもう少し爽やかなものに変えるため日々励んでいきたいです」
- 経歴 -
1978年
神奈川県生まれ
2005年
多治見工業高等学校専攻科卒業
玉置保夫氏に師事
現在、岐阜県土岐市駄知町にて制作