東京藝術大学 卒業・修了作品展に行ってきました
東京藝術大学で行われた、卒業・修了作品展に行ってきました。
東京藝術大学には初めて行ったのですが、上野駅からすぐ近く、個人的に何度も足を運んだ事のある有名な美術館も隣接された場所にありました。
学生の展示というイメージからは良い意味で全く異なる、多数の来場者数。 何よりもその来場した人達を惹きつける作品の魅力がありました。
卒展に向かいます。たくさんの来場者が。
上野動物園や美術館を横目に校内に向かいます。今回で64回目だそう。
花があしらわれたポップなデザインの看板。
先端芸術表現
入場してまず目に入った、天井から吊るされた大量のオブジェ(?)に圧倒されます。
まさに、美術大学らしい名前の、先端芸術表現科という学科があるようで、個人的には、形式には縛られずに表現というものを追求した作品を作るという事を学ぶ学科なのかなと自分としては理解しました。
網を隔てた向こう側に見える絵。3人の子どもと牧歌的な風景。可愛らしさもありますが、微かに不穏な空気も感じます。
線について考え続け、線を描くことなく作り上げた作品とのこと。
線を引くと形式ができ上がってしまう。しかし、だからといって、線を否定するという事は逆に線に縛られてしまう事になる。見た人がそれぞれ自由に感じることができる作品だと感じました。
汚れた(汚した?)学生服を展示
少しだけポップアートの趣を感じる作品。たくさんのスペースを用いて、隙間を保ち展示されたスタイリッシュな絵とオブジェ。色味が目を引きます。
ご老人が使用されるシルバーカー。
どうしても、体が弱いから使う事に”なってしまう。”といったネガティブなイメージを払拭するためにデザインされたスタイリッシュなシルバーカー。
まるで黒板に描いたようなシンプルな絵
タイトルは、”東京の雨”。雨と言っても、土砂降りのようなそれではなく、しっとりと降るような気持ちのいい雨を連想させるような趣。
いい意味でとっつきやすい絵だなと思いました。
とても自由で目を引く工芸作品
グッと思いを詰め込んで作られたような雰囲気を持つ作品。
形、色とも決して主張するようなものではないですが、ひとつひとつ作品をよく見て、普段見るような物を思い返してみると、目の前にある作品が独創性を持っている事に気づきます。
立方体が規則正しく並べられていますが、それぞれは色味が異なり、グラデーションとも言えない絶妙な雰囲気を醸し出しています。不思議な美しさ。
ここち良さを持った陶器
ツルッとした存在感の陶器。
決して存在感がないわけではないのですが、自宅に置いても違和感は感じつつも?心地よさを感じそうな作品。
横に線が入った、惑星のような作品。
さまざまな形の金工品。色は豪華なのですが、雰囲気はおしとやかな感じ。
非常に美しく、心が落ち着く色み。多くの人が足を止め見入っていました。
東京藝術大学 卒業・修了作品展に足を運んでみて
すごく考えさせられ、かつ素晴らしい作品が多くてとても楽しめました。
全体的な印象としては、芸術と聞いて思いがちな(もちろんそれはそれで素晴らしいのですが)綺麗で心地の良い作品というのはそこまで多くなく、かの岡本太郎さんが言っていた、”今日の芸術は、うまくあってはいけない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない”という言葉を思い出しました。
また、変な意味での自我を作品から感じることがなく、創作するという情熱をうまく作品として昇華している気がしました。
自分が学生の頃を思い出すと恥ずかしくなります。。
今日見た作品を作られた方の多くが、これから活躍していくんだろうなと十分に思える展示会でした。