ハチミツ採取の取材をさせていただきました
今回はハチミツの話です。
今年2016年の9月に、当店hinodeの初の展示会にて、茨城県内で採れたハチミツの販売も行いました。
販売したハチミツは、今年の夏に採れた無加工、無添加の百花ハチミツです。
百花ハチミツは、色々な花の蜜がブレンドされているもので、美味しいのはもちろん、とても良い花の香りがします。
数量限定だったこともあって、今回の展示会の2日目には完売でした!
来年にはオンラインでも数量限定で販売をできれば良いなと思っています。
少しずつでも色んな方に知っていただきたい、そのときどきの日本の季節を感じることができるハチミツです。
お一人で少量づつ丁寧に採っているハチミツなので大量に生産することが出来ず、そういったご意向から、お名前等は出せないのですが、少しだけ取材をさせていただきました。
*以下に蜂の画像が出てくるので、苦手な方は気をつけてください。
20 年以上使っている巣箱
上の画像は蜂の巣箱です。
養蜂を始めたのはいまハチミツを作られている方のお父さまで、そのお父さまの奥さまがご病気をされた際、奥さまのためにハチミツを作り始めたそうです。
その時から、もう20年以上もミツバチの交配を続けながら飼育しています。
トトロの森のような、木のトンネルの中に巣箱がおいてありました。
傍には大きなクルミの木があって、落ちたクルミを拾ったりする楽しみもあるそう。
「木漏れ日からを見上げた時に、ミツバチたちが巣に戻ってくるのがきらきらして綺麗なんですよ」
と、蜂を飼うことをとても楽しそうにお話されていました。
20年以上養蜂をされているというだけあって、かなり年季が入っています!
巣箱の蓋を閉めていても、周りはたくさんのミツバチが飛び交っていて、ブーンブーンとすごい音がしています。
なかなかに恐い状況ですが、装備はなんとネットのついた帽子だけ…!
長年飼っているせいなのか分からないのですが、確かに蜂たちは大人しくて服に止まってくるということもほとんどありませんでした。
それでもうっかり髪の毛の中に入ってしまうと、蜂が焦って刺してしまうらしいです。
刺して針が抜けると死んでしまって可哀想なので、できるだけ刺激したり触ってしまったりしないように気をつけているそうです。
私は、耳元でする羽音に慣れるまで少しドキドキしていました。
本当にすごい音なんです汗。
振り払いそうになるのを少し我慢していたら、ミツバチたちも置物と思ったのか分かりませんが、私を避けて飛んでいました。
まるで扇風機
巣箱の入り口です。
よくみると入り口付近で蜂が一生懸命に羽ばたいています。
これは、入り口から中に風を送ったり、先輩の蜂たちが新人に入り口をアピールする行動だそうです。
蜂も小さな入り口が分からなくなることもあるんだそうです。
「手を近づけてみて」
ということで、手をかざすと、まるで扇風機のように涼しい風を感じました!こんな小さな蜂なのに、そのパワーにびっくりです。
中にはたくさん!
中にはたくさんの蜂たちがいました!
中の巣箱は上下2段式になっていて、写真は下の段です。
この鉄の格子は大きな女王蜂が通れないようにするためのものらしく、この段に女王蜂が住んでいて卵を産んだりするので、当然、蜂たちもたくさんいます。
上の段にはハチミツが貯蔵されています。
まるでマンションのような感じがしました。
飼われている蜂の種類はセイヨウミツバチで、国産のニホンミツバチに比べると病気にかかりやすかったり、管理に手間もかかるそうです。
営巣すると留まってくれたり、一年に何回か蜜が採れるなどメリットも多いそう。
ミツバチについてのお話もたくさん聞かせていただいたのですが、ハチミツや蜂たちを狙う他の生き物のお話も面白かったです。
たとえば、スズメバチの話。
スズメバチはミツバチを襲うため、毎日戦わないといけないらしいのですが、その間、巣にいる女王蜂はたった一匹で冬を過ごし、自分の力で巣作りをするんだそう。
そんな生態を知って、
「一番の天敵だけれど、ミツバチと違う力強さがあって最近はスズメバチのファンなんです(笑)」
と楽しそうに話されていていました。
昔から使っている道具
燻煙機という煙を出す道具です。
ミツバチは煙をかけると大人しくなるそうで、今回私もはじめてだったこともあって、ミツバチたちはいっぱい煙をかけられていました…!笑。
いつもよりだいぶ煙かっただろうなと思います。
また、毎日の掃除をすることもとても大事な日課だそうです。
煙をかけると…
煙をかけると外に出ていたミツバチが巣に入っていきます。
煙をかけられたミツバチたちは大人しくなっていました。
いつもより多めにかけられて困っていたのではないかと思います…。
実は偉大な発明品
木でできた四角い巣枠の中に蜂の巣が作られています。
引き抜くことで巣の様子や蜂の健康状態などを観察することができ、またこのまま遠心分離機にかけることで蜂の巣を壊すことがなくハチミツを採集できます。
後日、調べて分かったのですが、この巣枠、蜂のことや養蜂家のことを考えて作られた画期的な発明だったようです。
巣枠ができる前は管理も今よりさらに難しく、蜂の巣も壊さないと採蜜ができなかったそうです。
当たり前にテレビなどで何度も見たことがあるものだったので、意味のある形なのだな…と改めて勉強になりました。
引き抜いてみると…
一枚引き抜くと、たくさんの蜂たちと、綺麗な6角形の蜂の巣穴が…!正直、いきなり見るとびっくりしてしまうような光景ですが、もうちょっと近づいて見てみましょう。
*苦手な方は気をつけてください。
これが女王蜂
ヘラで示してくれているところにいるのが女王蜂です。
働き蜂より1回り大きいです。
羽根が切れていますが、逃げ出してしまうと群れを連れていってしまうので、飛んで逃げないようにあらかじめ切ってしまうんだそうです。
こういった話を聞くたびに、養蜂は奥が深いなと思います。
女王蜂は基本的に卵を産むことが仕事。
働き蜂は大切な女王蜂を守るので、巣板を持ち上げると隣の棚に女王を誘導することが多いらしいです。
女王ばちを見つけたのも一番最後の棚だったのですが、こんなにたくさんの蜂の中からパッと見つけてしまうのでさすがだな…!と思いました。
美味しくて綺麗なハチミツ
毎日の手入れのほんの一コマを見させていただいたのですが、とても繊細で奥の深い仕事だなと感じました。
また、外敵のことや大変なことまでよく観察されていてそんな話も楽しく伺うことができました。
一度、作業中蜂に刺されてしまった瞬間があったのですが、
”可哀想なことをしてしまったな…”
と言っている姿が印象的で、とても蜂を大事にされているんだなということが伝わります。
そんな方の育てた蜂たちが一生懸命集めた蜂蜜。
今回の展示会で色々な方に買っていただけたことがとても嬉しかったです。
ご好評いただいて今回完売してしまいましたが、また来年も販売したいと思っています。