栃木県で再生ガラスの器を制作する、ガラス作家・伊藤亜木さんの作品が入荷しました。

栃木県で再生ガラスの器を制作する、ガラス作家・伊藤亜木さんの作品が入荷しました。

栃木県茂木町で、再生ガラスを用いた制作をされている、伊藤亜木(いとう あき)さんの作品が入荷しています。

気泡のゆらぎと、宙吹きならではの有機的なライン。
底の厚みで安定し、口縁は滑らか。麦茶やソーダなど、何気ない一杯に合わせやすい日常の器です。

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今回の入荷

今回は、コップ(大・小)、ピッチャー(大)、ロックグラスを中心に入荷しました。
ほか、そばちょこやシュガーポット(小)、小瓶、花器(小)なども揃えています。

コップ(大・小)

大は胴の中央がわずかにくびれた筒形。壁一面に細かな気泡が入り、光で粒状にきらめきます。小は口がやや広がるコンパクトなサイズで、手によく馴染みます。どちらも口縁は滑らかで、底は厚めの安定した仕上がりです。

伊藤亜木さんのコップ

ピッチャー(大)

すっきりした筒形で、上部に気泡が密集した帯がある個体が多く、片側に注ぎ口が付き、水やジュース、お酒の注ぎ口に。テーブルに置くだけで、食卓の中心になる一本です。

伊藤亜木さんのピッチャー

ロックグラス

口がやや広がる筒形で、下部に縦方向の面取りがあります。胴中央に細かな気泡が集まり、光で粒状の影が落ちます。ロックやハイボールはもちろん、麦茶にも合わせやすいサイズ感です。

伊藤亜木さんのロックグラス

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役割を終えたガラスに、新しい命を吹き込む

私たちの生活を支えてきた窓ガラスや蛍光灯。
その役目を終えて一度は「廃棄物」となった素材が、栃木県の山間に工房を構える伊藤亜木さんの手によって、器へと生まれ変わります。

伊藤さんが手掛けるのは、再生ガラスならではの素朴な力強さと、現代の暮らしにスッと馴染む柔らかさを兼ね備えた、日常の道具たちです。

捨てられた素材が持つ「記憶」を慈しむ

伊藤さんが素材として選ぶのは、使い古された蛍光管です。

一般的なクリスタルガラスが追求する「純粋無垢な透明さ」とは異なり、彼女は再生ガラスに含まれる微細な不純物や組成の揺らぎを、作品の奥行きとして肯定しています。
かつてどこかの空間を仕切り、あるいは光を灯していた素材の歴史を、器の「味」へと昇華させるのが伊藤さんのスタイルです。

表情豊かな「気泡」のゆらぎ

伊藤さんの作品で特に目を引くのが、ガラスの中に閉じ込められた無数の気泡です。
制作過程で意図的に入れた大きな泡と、溶解のプロセスで自然に生まれた微細な泡。それらが重なることで、器に独特のリズムと立体感が生まれます。

光が透けたとき、気泡の一つひとつが光を屈折させ、テーブルの上に柔らかな影を落とします。食卓をほんの少し彩ってくれる、手仕事ならではの見どころです。

自作の窯から生まれる、有機的なライン

1972年東京生まれの伊藤さんは、セツ・モードセミナーで学んだ後、2006年に栃木へ移住。自らの手でガラス溶解窯を築き、独立しました。

「宙吹き」の技法で一つひとつ作られる形には、工業製品にはない心地よい「ゆらぎ」があります。
また、テクスチャー作りにゼリーやマドレーヌのアルミ型を再利用するといった工夫も、作品にどこか懐かしく、親しみやすい雰囲気を与えています。

毎日気兼ねなく使える実用性

見た目の良さはもちろんですが、店主として特にお伝えしたいのがその使いやすさです。

再生ガラスは扱いが難しい素材ですが、伊藤さんは緻密な温度管理を行うことで、日常使いに十分な強度を持たせています。
底面にはぽってりとした厚みがあって安定感があり、一方で口に触れる部分は繊細で滑らか。
このバランスのおかげで、気兼ねなく毎日使い倒せる道具になっています。

現代の「用」に即した、新しいものづくり

今は「サステナブル」という言葉が一般的になりましたが、伊藤さんの活動はもっとシンプルで実直なものだと感じます。

かつて柳宗悦が説いた「用の美」のように、現代の都市から出る廃棄物に光を当て、誰もが手に取りやすい価格で届ける。それは、今の私たちの暮らしにおける一つの「民藝」の形かもしれません。

麦茶やソーダ水、何気ない飲み物を注いで、その手馴染みの良さをぜひ感じてみてください。

伊藤亜木(いとう あき) 略歴

1972年:
東京都生まれ。

1995年:
セツ・モードセミナー卒業。同時期にタキナミグラスファクトリーにて吹きガラスを始める。

1998年:
株式会社井田硝子に入社。

2001年:
フリーランスとして活動を開始。ガラス作品のほか、布物の製作なども行う。

2006年:
栃木県茂木町に移住。自らガラス溶解窯を築き、制作をスタート。

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