河内啓 Kawachi Kei
『陶は人にとって自然との間を取り持つ素材だ』
『人は自然を必要としているけれど、
生の自然をそのまま受け入れる程には強くなくて、
陶器をインターフェイスにして自然とつながろうとする』
『陶の器で食事をし、花器に花を活ける』
『土を焼くと器になるというシンプルな工程が、
自然と人との境界をなめらかに馴染ませる』
『私は器を作る時、
自然の野性味が、人のための道具の中にうまく溶け込むように、
そのバランスをいつも探っている』
人の生活にうまく溶け込ませる。
それを探りながら作陶するという河内さん。
なめらかに。
目に見えない凹凸を慣らすように。
その作品は、どのような場面、場所でも馴染むような素朴で穏やかな佇まいをしています。
天然木の灰の釉薬を使った濃淡のあるものや、温もりを感じさせるラフな歪みを残すもの…
表情豊かな器の数々は、どれも使うごとに愛着の増す品ばかり。
色や形の美しさだけでなく、程よい重さ、心地よい口当たり、違和感ない取っ手の位置などの使い勝手の良さ。
そして何よりもその作品の持つ佇まいが、河内さんの器を日常使いしたくなる理由のひとつです。
河内 啓(かわち けい)
陶芸家
1967年:
静岡県静岡市に産まれる。
1991年:
日本大学経済学部卒業。株式会社TKC入社。
1999年:
愛知県立窯業高等技術専門校卒業。土岐市の製陶所に勤務
2002年:
岐阜県土岐市鶴里町に築窯
2012年:
萬古焼きコンペ 審査員特別賞受賞
2014年:
クラフト・センター・ジャパン Cマークに選定