
平井岳 綾子
Hirai Gaku Ayako
『福島県猪苗代町にて制作をする平井 岳、綾子、塗師夫婦2人の工房です。
木と漆の調和を何より大切にするため自ら採取、精製した漆を使用して現代の暮らしに寄り添う漆器を目指して器を作っています』
平井岳さんは、美術大学から漆工房への弟子入りをし、その二つを通して、「作家」と「職人」両方の仕事や製作環境を経験されました。
そこで気づいたことは、お互い同じ「ものづくり」でも何かが違うということだったそう。
一方で綾子さんは、漆芸を学んだ後、アンティーク家具の修復にも携わっておられました。
平井岳さんのそういった考えもあり、双方の良いところを合わせた仕事がしたいという思いから工房をスタートされました。
作品の出来上がりが完成ではなく、人の手に渡って使うシーンや手入れ、メンテナンスなど、アフターのことまで考える。
使い手目線の、奇をてらわないものづくりを日々心がけて製作しています。
平井岳 綾子さんの作品は、一見するとシンプルで控えめなデザインなのですが、
毎日使っていくことで、いつの間にか生活の一部のように馴染んでいきます。
それは、単純にシンプルだからということではなく、使い手が歳を重ねていくことや、忙しい中で少し雑な使い方をしてしまうことなど。
そんな日々の暮らしの中でも、変わりなく使えるように。
使う方の未来を見据え、長く使ってもらいたい。
平井岳 綾子さんの作品には、そんな思いが込められているからなのではないかと思います。
また、耐久性に優れた漆という素材が使われることで、漆器という道具の良さを日々のなかで感じることもできます。
自然体で漆器を楽しめ、末長いお付き合いができる、そんな作品をぜひ知っていただけたら幸いです。
- 経歴 -
塗師 / 漆掻き
平井 岳 / Hirai Gaku
1988年京都府生まれ
2011年 東北芸術工科大学 工芸コース漆芸専攻 卒業
2011年 漆工芸 荻房 勤務
2016年 妻、綾子と共に独立
2019年 漆掻き技術保存会主催の長期研修参加
塗師 / 金継ぎ
平井 綾子 / Hirai Ayako
1987年 福島県生まれ
2013年 東北芸術工科大学 芸術文化漆芸専攻 修了
2013年 アンティーク家具の修復工房に勤務
2016年 夫、岳と共に独立