山本真郎さんの工房に行ってきました
今回は、神奈川県にある山本真郎さんの陶房にお伺いしてきました。
最寄り駅から、車で 20 分ほど。自然が豊かな場所でした。
駅まで山本さんが迎えに来てくれました!
陶房への入り口はこちら
陶房の入り口には、
“陶房 →100M”
と書いてある看板のみ。
ふらっとお客さんが訪れることもあるそうです。
細い道を登っていきます。
大きめな車で来る時は、要注意です。
陶房に到着
陶房に到着です。陶房は木材で作られていて、とても良い感じです。
風通しも良さそう。
「でも、夏場に虫がたくさん出るのが悩みです。」と、山本さん苦笑いでした。
ただ、それ以上に、この自然と空気の綺麗さがありますし、作る場所によって、作品の雰囲気も変わっていくとおっしゃられていたので、制作には最適な環境と場所だと思います。
撮影をし忘れてしまったんですが、陶房が高いところにあるので、山々の自然が一望できる眺めも最高でした。
次回、またお伺いした時には必ず撮ってきます。
制作された作品
陶房なので、(当たり前ですが)作品が所狭しと置かれています。
どれもこれも欲しくなってしまいます!
画像上の作品は、ゴツゴツとした質感の格好が良く、一点ずつ風合いも微妙に異なります。
下の画像は、艶やかな質感で、内側のターコイズのような色がとてもキレイです。
キャセロール、焼き締めのお皿など
キャセロールは現在、当店でも同型の作品を販売しています。
山本さんの展示会では見たことがある、焼き締めのお皿や、一本の線が入ったシンプルな粉引のお皿などがありました。
絵付けが入ると、ぐっとオリエンタルな雰囲気が出ますが、こういったシンプルなものもとても良かったです。
手に持ってみて確認
1 つづつ、手に持って質感を確認。どれも手に馴染みます。やはり、手で作られたものというのは、どこか落ち着くような印象を受けます。
ちなみに、写真で手に持っているのは粉引の片口。
個性的な作品も
上の画像二つは、色違いの土を練り合わせ、白黒のマーブルのような模様が浮き出た作品。
削りを入れるまでどんな模様が分からないらしく、偶然性に任せた同じものが一つとしてない、まさに一点ものです。
下の画像は、段になっている長皿です。個性的な形状ですが、1 つづつ簡単な区切りになっているので、便利に使えそうです。
細かな手仕事の陶の灯り
放射状に円を描くように葉っぱが舞っている陶の灯り(*手前)です。
陶の灯りは、山本さんの作品の中でも個人的にとくに大好きなシリーズで、1 つづつが異なり、てっぺんに鳥がいたりするものもあります。
明かりを灯すと、部屋の印象もガラリと変わりそう。
インテリアとしてもすごく良さそうです。
すごく欲しい。。
絵付けの実演
事前に無理を言って、
「制作しているところを見せてくれませんか。」
と頼んでいたので、絵付けをする準備をしていただいていました。
「緊張しますね。」と、山本さん。
平常心で模様を入れていく
心構えを決めたら、力を抜く感じで、"サッサッ"と模様を描いていきます。
「緊張して描くと、緊張した模様になってしまうので。。
日常で使うものなので、なるべく力を抜いて描くようにしています。」
作業している後ろ姿
上の写真は、絵付けの準備中の山本さんです。
いつもこんな感じで制作されているのでしょうか。
鬼気迫る。という感じはなく、自然体で制作されているんだろうなという感じがします。
回しながら線を入れていく
回転式の台にのせて、回しながら線を入れていきます。
上の部分にも同じように線を引いていきます。
模様を入れる
無心。といった面持ちで模様を入れていきます。
完成間近
取り扱わせていただいている、いつも自分たちが見ている作品の模様になってきました。
「どうやって、この模様になったんですか?」
と聞いてみたのですが、何故でしょうねえ。という感じでした。
不思議な雰囲気を持った模様です。
絵付けの完成
完成です。山本さんもほっとされていました。
これから更に釉薬を塗り、焼くと、下の写真のような色に変わります。
作業としては、そこまで時間はかかっていませんでしたが、本当の一発勝負。
また、絵付けに伝わる雰囲気も山本さんは大切にされていたので、強い集中力を持ちつつもリラックスして描かないとならない。一種、矛盾したような状態に苦心している感じを受けました。
陶房に伺ってきて
色々な作品を見させていただいて、何よりも、長時間に渡って時間を割いてもらい、たくさんの話ができたのが何よりうれしかったです。
話の中には、制作にあたっての葛藤などの話もあり、自分も考えるキッカケにもなりました。
作品は何気なく見た時も魅力的ですが、その人となりも知ると、より愛着が湧きます。
こういった環境の中で作られる作品なんだな。こういう方が創られる作品なんだな。と感じ、
以外だった部分もあれば、腑に落ちる部分もありました。
お話をしていて、山本さんの一番印象的だった言葉があります。
「とくに誰かといった事は決めていないのですが、 使ってくれる人の事をいつも考えて作っています。」
山本さんの作品の魅力が少しだけ分かったような気がしました。